甲状軟骨形成術Ⅳ型

この手術方法は、手術中に、患者様自身と一緒に声を聞きながら声の高さを「調節することができる」手術方法です。声帯に引っ張るという操作を加え、声帯自体の緊張を高めることで、声が高くなるという原理です。声帯に直接触れる手術ではないため、手術後の発声禁止期間は約1週間程度の安静で発声可能となり、声の質もほとんど損なわれることはありません。また、患者様自身と声の高さを調整できるので、最大限ご希望の声の高さに調節ができることで、術後の満足度も実感していただきやすい手術となっています。

甲状軟骨の真ん中より外側の部分的で、甲状軟骨と輪状軟骨を接近させることにより、声帯に緊張を与えて声の高さを上げます。声帯に侵襲はないので声質が維持されたまま、長期的に高音域を保てることが期待できます。ただし、甲状軟骨も輪状軟骨の可動域が少なくなるため低い声が出しにくく、声域(出せる声の高低の幅)は狭くなります。

手術は、1時間~2時間程で局所麻酔+静脈麻酔(リラックス麻酔)を用いて行います。声の高さを調整する時は、確認してもらえるような覚醒状態(意識がある状態)に調整しています。調整する時以外は、寝ていただくことが可能ですので、遠慮なくご意向をお申し出下さい。

甲状軟骨形成術Ⅳ型の特徴】

診察から手術までの流れ

費用

声の高さを変えるための声帯の手術はすべて自費診察となります。

術前検査

手術について

手術時間はおよそ1時間で終わり、術後1時間程当院で様子をみて頂きます。

術後診察を行い問題なければご帰宅頂けます。

術後3日~1週間ほどは声を出さず、安静が必要になります。発声は必要最小限にして筆談などを使って声を出さないように心がけてください。

また、声の調子は術後どんどん変化していくため、一時的にはとても不安定な状態になります、声が安定するまでには最低半年はかかりますので、焦らずに経過を見ていただく必要があります。

術式の流れ

  1. 体勢の設定
  2. 手術前の声の高さを測定
  3. 麻酔開始(静脈麻酔)
  4. 鼻~鎖骨まで消毒
  5. 手術開始(局所麻酔)
  6. 喉切開(4㎝程度)
  7. 甲状軟骨・輪状軟骨露出
  8. 声の高さ決定
  9. プレート使用し固定
  10. 止血・縫合
  11. 麻酔終了

甲状軟骨形成術Ⅳ型の手術時間は約90分です

術後フォロー

手術より1週間後に抜糸、1か月・半年・1年後のタイミングで声の状態を確認します。術後1年間は、術後診察として再診料が不要となります。

術後2~3日は頸部の腫れが気になることもあります。

日常生活での咳やくしゃみ極力避け水分を取り保湿に努めるなど、規則正しく生活をしていただくことを意識いただくようお願いいたします。

手術当日~3日ほどは飲み込む感覚が術前よりも変化します。普段より感覚が違うことを意識していただき2~3日は生活していただくとスムーズです。

声のお悩みをお聞かせください

音声外来専用お問い合わせ送信後、あなたの声を録音した音声ファイルもしくは録画した動画を送信頂くこともできます。

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お送りいただく動画・音声ファイルは次の文章を読み上げたものでお願いします。

読み上げる文章

動画・音声ファイルは100MB以下、30秒以内のデータとして頂けますようご協力お願いいたします。

声のお悩みは他の病気とは違い、客観的には支障が少ないようでも、本人様にとって社会生活上の悩みは深刻です。一方で、より身近に声帯の手術を受ける事が出来る時代でもあります。当院医師と相談しつつ、一緒により良い生活を築いていきましょう。
日頃感じるあなたの声に関するご回答を基に、当院から連絡し解決への道のりをご提案させて頂きます。
まずは私たちと共に不安の軽減に努めましょう。

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