アレルギー性鼻炎・肥厚性鼻炎の症状・症例

アレルギー性鼻炎の3大症状は、クシャミ、鼻水、鼻詰まりです。炎症が長期間におよぶと鼻の粘膜が分厚くなったままの状態となり(肥厚性鼻炎)、鼻詰まりが続きます。鼻腔の粘膜の腫れにより空気の流れが遮断され嗅覚障害を起こすこともあります。

アレルギー性鼻炎の重症度チェック

くしゃみ:1日のくしゃみ発作回数
なし 0点
1~5回 1点
6~10回 2点
11~20回 3点
21回以上 4点
鼻汁:1日に鼻をかむ回数
なし 0点
1~5回 1点
6~10回 2点
11~20回 3点
21回以上 4点
鼻づまり(鼻閉)
なし 0点
口呼吸は全くないが鼻はつまる 1点
鼻閉が強く口呼吸が一日のうちときどきある 2点
鼻閉が非常に強く、口呼吸が一日のうちかなりの時間ある 3点
1日中完全につまっている 4点

3項目のうち3点以上のスコアをもつ症状があれば「重症アレルギー性鼻炎」であり、鼻づまり(鼻閉)のスコアが3点以上あるものは「重度の鼻閉型」と言えます。

診断

診察では鼻内の観察をし、鼻腔の粘膜の色や腫れ具合、鼻水の性状や量を確認します。また、アレルギー症状を引き起こす原因となる物質や花粉の種類を調べる血液検査を行い、通年性のタイプなのか季節性なのか、どの季節になりやすいタイプなのかを調べます。鼻中隔弯曲症副鼻腔炎が合併している場合には、CTで確認します。

治療

抗アレルギー薬の内服、ステロイド点鼻薬を用います。市販の点鼻薬は血管収縮剤が入っているものが多く、長期に渡る使用は逆に下鼻甲介粘膜の薬剤肥厚を引き起こし鼻閉が悪化することがあるため注意が必要です。薬の効果がない場合は、当院では手術治療(粘膜下下鼻甲介切除術後鼻神経切断術)をお勧めしています。

当院での取り組み

当院では重度の鼻閉を伴う重症アレルギー性鼻炎の方に対して粘膜下下鼻甲介骨切除術鼻中隔矯正術後鼻神経切断術を組み合わせる手術治療を積極的に行っています。

直近1年間(2021年1月~12月)の手術件数は、粘膜下下鼻甲介骨切除術が約260件、鼻中隔矯正術:約200件、後鼻神経切断術:約170件となっています。

手術対象年齢: 10歳~75歳

小児(10~15歳)の鼻づまり(鼻閉)を改善させる手術に関しては こちら

過去にレーザーによる鼻粘膜焼灼術をうけられたことがある方には何度も焼灼を繰り返すより、粘膜下下鼻甲介骨切除後鼻神経切断術を勧め、半永久的な効果を促しています。

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