鼓膜形成術
鼓膜形成術は基本的には局所麻酔の日帰り手術で行いますが、中耳炎であればどのような症例でも可能というわけではありません。鼓膜穿孔のみが残存し耳漏は認められない(鼓室内の炎症がほとんどない)症例では鼓膜形成術を行いますが、耳漏が続いたり反復したりしている場合は、鼓室内の炎症の程度が強いと考えられますので鼓室形成術を行います。
手術時間は1時間程度です。耳の後ろの部分から鼓膜の材料(側頭筋膜)を採取するため2、3センチ程度皮膚を切開します。傷はほとんど残りません。鼓膜穿孔周囲の操作は全て耳の穴から行います。当院では鼓膜形成後、約1週間ガーゼを入れたままにしておき、1週間後ご来院いただいたときにガーゼを抜去します。多くのケースで改善が期待できる手術法です。